瓦屋根の漆喰とは?役割や劣化を放置する危険性を解説
2026/01/21

瓦屋根のメンテナンスを考える際、「漆喰(しっくい)」の存在をご存じでしょうか?
普段はあまり目立たない部分かもしれませんが、漆喰は瓦屋根の性能を支える非常に重要な役割を担っています。
しかし、経年劣化により剥がれたり崩れたりすると、雨漏りや瓦のズレなど深刻なトラブルにつながることもあります。
この記事では、漆喰とはどのような素材なのか、どんな役割を果たしているのか、そして劣化によるリスクや補修のタイミングについて詳しく解説します。
漆喰のメンテナンスでお悩みの方、屋根の点検時期を検討中の方はぜひ参考にしてください。
瓦屋根に使われる「漆喰」とは?
瓦屋根に使われる漆喰とは、棟(むね)と呼ばれる屋根の頂部や、瓦と瓦の隙間を埋める白い粘土状の建材のことです。
伝統的には、消石灰(しょうせっかい)を主成分とし、砂やのりなどを混ぜて練ったもので、耐久性・防火性・防水性に優れた性質を持っています。
屋根の棟部分では、瓦を積み上げる「葺き土(ふきつち)」という土台を覆うように漆喰を塗り込んでおり、この漆喰が雨水の侵入を防ぎ、瓦を安定させる役割を果たしているのです。
漆喰の3つの主な役割とは?
1. 防水性を高める
漆喰の最も重要な働きは、防水機能です。
瓦の隙間や棟の接合部など、雨水が入り込みやすい箇所を漆喰でしっかりと覆うことで、屋根内部への浸水を防ぎます。
もし漆喰が剥がれてしまえば、そこから雨水が浸入し、下地の腐食や雨漏りの原因となってしまいます。
2. 瓦を固定する補助
瓦屋根の棟部分は、葺き土の上に瓦を積んで成り立っています。
その葺き土を保護し、瓦のズレや落下を防ぐために、漆喰がしっかりと押さえの役目を担っています。
地震や強風に備えるうえでも、漆喰の状態は重要なポイントです。
3. 屋根の美観を整える
漆喰は屋根のラインをきれいに整える仕上げ材でもあります。
白く美しい漆喰は、瓦屋根特有の重厚感と相まって、日本建築らしい景観を引き立ててくれる存在でもあるのです。
劣化するとどうなる?漆喰の不具合と放置のリスク
瓦屋根にとって漆喰は、見た目以上に重要な役割を担う部材です。しかし、常に外気にさらされているため、紫外線や雨風、寒暖差などの影響を受けながら、少しずつ劣化が進行していきます。とくに築10年以上が経過した屋根では、肉眼でも分かるような劣化症状が現れてくるケースが増えてきます。
劣化した漆喰をそのまま放置してしまうと、屋根全体の機能が低下し、雨漏りや瓦の崩落といった深刻なトラブルを招く可能性があるのです。
漆喰に見られる代表的な劣化症状
まず、漆喰の劣化は見た目に現れやすいため、日常の中で下からでも気づけることがあります。代表的な症状は以下のとおりです。
ひび割れや剥がれ
表面に細かいひびが入り、次第に欠けてきたり、部分的に剥がれ落ちたりします。放置すると割れ目から雨水が侵入しやすくなります。
漆喰の崩落
触るとポロポロと崩れるような状態や、屋根の下に白い粉状の塊が落ちてくる場合は、劣化がかなり進んでいるサインです。
黒ずみや苔の発生
防水性が失われているサインとも言えます。湿気がこもりやすくなり、カビや苔の温床になることも。
棟瓦のズレや傾き
漆喰が崩れたことで瓦を支える力が弱まり、瓦が傾いたり、ずれてきたりすることもあります。
これらの変化は、一見すると「見た目が少し悪くなっただけ」と思われがちですが、実は屋根内部に深刻な問題を引き起こす前兆であることが多いのです。
漆喰劣化による主なリスク
漆喰の劣化は、ただの外観の問題ではありません。放置することで、以下のようなトラブルが発生するおそれがあります。
雨水の侵入による「雨漏り」発生
ひび割れや剥がれた部分から雨水が入り込み、下地の葺き土や野地板が湿気を帯びて腐食し始めます。最終的には天井へのシミや雨漏りという形で室内に被害が及びます。
葺き土がむき出しになり、瓦がズレやすくなる
漆喰が剥がれると、その下の葺き土が直接風雨にさらされ、流出してしまうことがあります。これにより瓦の固定力が低下し、ズレたり落下したりするリスクが高まります。
棟の瓦が崩落する危険性
漆喰が完全に崩れてしまうと、棟瓦を支える力がなくなり、強風や地震の際に瓦が崩れて落下する可能性もあります。運悪く人や車に落ちてしまえば、重大な事故につながりかねません。
屋根の耐久性・耐震性の低下
漆喰の劣化により棟瓦が不安定になると、屋根全体の剛性やバランスにも影響します。地震の際に屋根が崩れやすくなるなど、建物全体の安全性にもかかわってくるのです。
このように、漆喰の不具合は見た目の劣化にとどまらず、屋根構造全体に波及する危険性を持っているのです。
放置せず、定期点検を心がけましょう
漆喰は、瓦屋根の目に見えるバロメーターともいえます。小さな剥がれやひび割れも、早期であれば部分補修だけで済むことが多く、費用も最小限で抑えられます。
逆に、「まだ大丈夫だろう」と様子を見ているうちに劣化が進行してしまうと、漆喰だけでなく棟の積み直しや屋根全体の補強工事が必要になるケースもあります。
とくに築10〜15年を超えてくる住宅では、一度専門業者に屋根点検を依頼してみるのがおすすめです。
気になる症状が見られる場合は、放置せず、信頼できる屋根修理業者に早めに相談してみてください。
補修が必要なタイミングとは?
漆喰は耐久性があるとはいえ、永久に持つわけではありません。
適切な補修タイミングを見逃さないことが、雨漏りや大規模修繕を防ぐ鍵となります。
点検・補修の目安となるサイン
- 築10年以上で一度も屋根の点検をしていない
- 屋根の棟部分に白い粉や崩れた漆喰が落ちている
- 天井にシミや湿気が見られる
- 強風や地震のあとに瓦がズレている
上記のような症状がある場合は、なるべく早めに専門業者に点検を依頼することをおすすめします。
とくに「築15年〜20年」のタイミングで一度しっかりと漆喰を見直しておくと安心でしょう。
漆喰補修にかかる費用と工事の流れ
漆喰の補修費用は、施工面積や状態によって異なりますが、一般的な費用感は以下の通りです。
費用の目安
| 施工内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 部分補修(1〜2m程度) | 2万円〜5万円前後 |
| 棟の漆喰全面補修(1棟あたり) | 8万円〜15万円前後 |
| 漆喰+棟瓦の積み直し(下地補強含む) | 15万円〜30万円以上 |
※屋根の勾配や高さ、足場の有無によって費用は変動します。
自分でできる?DIYの注意点と専門業者に任せるべき理由
「漆喰ぐらい自分で補修できるのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし実際には、DIYでの補修はおすすめできないケースがほとんどです。
DIY補修のリスク
- 足場がなく危険(高所作業)
- 下地の状態まで正確に判断できない
- 塗りムラや密着不良により逆に雨漏りを誘発する
漆喰補修は、単なる見た目の修繕ではなく、屋根全体の防水性や強度を左右する重要な工事なのです。
そのため、経験豊富な屋根職人に相談し、的確な点検と適正な施工を受けることが、結果的には長持ちとコスト削減につながります。
まとめ
瓦屋根における漆喰の役割は、目立たないながらも非常に大切なものです。
防水性を高め、瓦を固定し、屋根の美観を保つ——そんな漆喰が劣化すれば、雨漏りや屋根全体のトラブルにつながることもあります。
築10年を過ぎたあたりから、漆喰の点検は「やっておいて損はない」ものになってきます。
気になる症状があれば、放置せず、信頼できる専門業者に相談してみましょう。
滋賀県で瓦屋根の漆喰補修や雨漏り点検をお考えの方は、一級建築板金技能士が在籍する「METALISE」にぜひご相談ください。
丁寧な点検と、適切なご提案で、あなたの大切な住まいをしっかりと守ります。















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