葺き替えが必要な屋根の特徴とは?修理では済まないケースを解説
2025/11/26
屋根の劣化が気になり始めたとき、「修理で済ませるべきか、それとも全面的な葺き替えが必要なのか?」と悩む方は多いのではないでしょうか。さらに最近では、工期も短くコストも抑えられる「カバー工法(重ね葺き)」という方法も登場しており、選択肢が増えた分だけ判断も難しくなっています。
本記事では、「葺き替えが必要なケース」とはどのような状態なのかを詳しく解説しつつ、カバー工法との違いやそれぞれのメリット・デメリットを明確にしていきます。屋根リフォームで後悔しないために、正しい知識と判断基準を身につけておきましょう。
葺き替えが必要な屋根の特徴とは?

「葺き替えが必要」と判断される屋根とは?
屋根の「葺き替え」とは、既存の屋根材をすべて撤去し、下地も含めて新しい屋根材に交換する工事のことを指します。
では、どんなときにこの葺き替え工事が必要になるのでしょうか?
たとえば、以下のような症状や状況が見られる場合です。
・屋根材が割れていたり、広範囲にわたって剥がれていたりする
・雨漏りが複数箇所に及び、内部の木材まで劣化している
・屋根下地(野地板や垂木など)にカビや腐朽、シロアリの被害がある
・築30年以上が経過し、耐久性に不安がある
・過去の施工履歴が不明で、今後の安全性に疑問が残る
このような場合、表面だけを新しくする「カバー工法」では根本的な解決が難しく、結局すぐに再工事が必要になってしまうケースもあります。長期的に見て無駄なコストをかけないためにも、状態が重度の場合は葺き替えを選ぶ方が賢明なのです。
劣化が進んだ屋根を放置するとどうなる?

小さな劣化でも放置は厳禁。その理由とは?
屋根の劣化を「まだ雨漏りしていないから大丈夫」と放置してしまう方は意外と多いものです。しかし、屋根の不具合は目に見える形で現れる頃には、すでに内部で深刻なダメージが進行しているケースが少なくありません。
たとえば、スレート屋根の一部にひび割れがあると、そこから少しずつ雨水が侵入します。すると、見えない部分である野地板(屋根の下地)や防水シートが腐食し始め、やがて断熱材や室内の天井にまで浸水が及ぶようになります。
特に注意が必要なのは、以下のような影響です。
構造体の腐食
柱や梁にまで水分が染み込み、家全体の耐久性が低下する
カビやダニの発生
湿気の多い環境は、健康被害の原因にもなる
資産価値の低下
売却時に修繕履歴がないと、大きな減額要因になる
修理費用の増加
軽微な補修で済んだはずの工事が、数十万円単位の全面改修に発展することも
つまり、「まだ大丈夫」と思っていた屋根も、時間とともに確実に劣化は進行し、放置するほどに修理費用とダメージは大きくなるのです。
とくに滋賀県のように季節ごとの寒暖差や降雪の影響を受けやすい地域では、屋根材や下地の寿命も早まる傾向があります。だからこそ、早期の点検と適切な判断が、結果として家全体の寿命を守ることにもつながるのです。
カバー工法とは?葺き替えとの違いと特徴を解説

そもそも「カバー工法」ってどんな工事?
「カバー工法」とは、既存の屋根材を撤去せずに、その上から新しい屋根材を被せる工事方法です。英語では「重ね葺き」や「屋根のオーバーレイ」とも呼ばれます。
主にスレート屋根(カラーベスト・コロニアル)や金属屋根の住宅に用いられる方法で、撤去作業がない分、工期が短く、費用も比較的抑えられるというのが大きなメリットです。
構造としては以下のような層になります。
- 既存の屋根材(スレート等)
- 防水シート(ルーフィング)を新たに施工
- 軽量な金属屋根材(ガルバリウム鋼板など)で仕上げ
このように、劣化した屋根を包み込むように新しい屋根をかぶせることで、見た目・機能ともに新築同様に近づけることが可能になります。
葺き替え工事との違いは?
一方で「葺き替え(ふきかえ)」工事とは、古い屋根材をすべて撤去し、下地まで点検・補修した上で新しい屋根材を載せる、いわば“全面交換”のような大がかりな工事です。
| 比較項目 | カバー工法 | 葺き替え工事 |
|---|---|---|
| 工事内容 | 既存屋根の上に新しい屋根を重ねる | 既存屋根をすべて撤去して張り替える |
| 工期 | 比較的短い(5〜7日程度) | やや長い(7〜14日程度) |
| 費用 | 抑えやすい | 高くなりやすい |
| 下地の補修 | 基本はそのまま | 点検・修復が可能 |
| 耐用年数 | 約20〜30年 | 約30〜40年(下地も新しくするため) |
どちらがいいの?判断のポイント
「じゃあ、どっちを選べばいいの?」という疑問が当然出てくると思います。
実はこれ、屋根の状態と構造によって最適な選択肢が変わります。
★下地がしっかりしている、雨漏りが起きていない、工期や費用を抑えたいならカバー工法
★下地が傷んでいる、既に雨漏りしている、40年以上経過している屋根なら葺き替えが無難
屋根の形状や素材の組み合わせによっても、向き・不向きがあります。自己判断は難しいため、専門業者の点検とアドバイスを受けたうえで決めることが大切なのです。
カバー工法が向いている屋根・向かない屋根とは?
屋根のリフォームにおいて、カバー工法が適しているかどうかは、現在の屋根の材質・劣化の程度・下地の状態によって大きく左右されます。ここでは、カバー工法が「向いているケース」と「避けたほうがよいケース」を具体的に見ていきましょう。
カバー工法が向いている屋根とは?
以下のような条件を満たしている場合、カバー工法は非常に有効な手段となります。
1. 現在の屋根が「スレート」または「金属屋根」である
カバー工法の対象となる屋根材の多くは、スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)または金属系の薄型屋根です。
とくにスレート屋根の場合、既存屋根の上に軽量な金属屋根(ガルバリウム鋼板など)を重ねることで、建物全体への重量負担を抑えつつ、耐久性を向上させることが可能になります。
また、近年では一部の金属屋根に対しても、専用のカバー材を用いた施工が可能になってきており、屋根材の状態が良好であれば施工できる事例も増えています。ただし、屋根材の種類や形状、雨仕舞(あまじまい)構造によっては適用できない場合もあるため、現地調査が必須です。
2. 下地(野地板や垂木)が健全な状態である
カバー工法では、既存の屋根材を撤去しないため、下地の劣化に気づきにくいという難点があります。そのため、野地板(屋根材を支える木製の板)や防水シートの状態が健全であることが前提になります。
業者によっては、事前に屋根裏からの点検やドローン・赤外線カメラによる調査などを行い、内部の状態をしっかり確認してから施工を提案してくれる場合もあります。
3. 雨漏りが起きていない、もしくは軽微である
雨漏りが発生している場合でも、原因箇所が一時的なひび割れや板金のゆるみなど軽度であれば、カバー工法で十分に対処できることがあります。ただし、原因が下地材の腐食や内部浸水の場合は葺き替えが必要となるため、状況を見極めた上での判断が重要です。
4. 工期・費用を抑えたい
カバー工法は撤去作業や廃材処分が不要な分、全体の工期も短く、費用もリーズナブルに抑えることができます。
- スレート屋根のカバー工法:約80〜150万円(30坪前後の場合)
- 葺き替え工事:約120〜200万円以上
上記はあくまで目安ですが、「できるだけコストをかけず、屋根を長持ちさせたい」という方には、カバー工法は非常に魅力的な選択肢になるでしょう。
カバー工法が向かない屋根とは?
一方で、以下のような条件に当てはまる場合は、カバー工法では根本的な解決にならない可能性があります。
1. 瓦屋根(和瓦・洋瓦など)
瓦屋根は非常に重たい屋根材であるため、その上にさらに屋根材を重ねると建物構造への負担が大きくなってしまうのです。
また、瓦は形状が凹凸しているため、上から金属屋根を施工するのが難しいという構造的な問題もあります。瓦屋根の場合は、一度すべて撤去し、軽量な屋根材に変更する葺き替え工事が一般的です。
2. 下地が腐食・劣化している
すでに野地板や防水シートが腐っている、カビが生えている、水を含んでブヨブヨしているなど、構造にダメージが出ている場合は、上から覆うだけでは修復できません。
この場合、内部の補修が必要になるため、屋根材を撤去する葺き替え工事の方が適切です。
3. 雨漏りが広範囲・長期化している
雨漏りが複数箇所に発生していたり、長期間放置されていた場合には、すでに構造全体が傷んでいる可能性があります。原因をきちんと突き止め、必要な箇所を修復するには葺き替えが必要です。
4. 屋根形状が複雑で施工しづらい
寄棟屋根や入母屋屋根など、形状が複雑で凹凸の多い屋根の場合、カバー工法では板金処理が難しく雨仕舞が不安定になることがあります。
また、過去に何度も増築や改修が繰り返されている住宅などは、構造が不明瞭な場合があり、リスクが高いためカバー工法は避けられる傾向があります。
カバー工法でコストを抑えられる理由とは?

屋根リフォームを検討する際、多くの方が最も気になるのは「費用」ですよね。
カバー工法が人気を集める理由の一つが、葺き替えに比べてコストが抑えられるという点にあります。ただし、「なぜ安くできるのか?」という理由を正しく理解しておかないと、見積もりの比較や施工内容の判断が難しくなることも。
ここでは、カバー工法がなぜ費用を抑えられるのかについて、施工の流れとコスト構造を踏まえてわかりやすく解説します。
解体・廃材処分が不要=大きなコスト削減に
葺き替え工事の場合、まず最初に既存の屋根材をすべて撤去する必要があります。
このときに発生する費用には、以下のようなものがあります。
・既存屋根材の撤去費(1㎡あたり数千円)
・アスベスト含有屋根材の場合の飛散対策・特別処理費
・撤去材の廃棄・処分費(産業廃棄物処理)
・廃材の積み込み・運搬費
一方、カバー工法では、これらの工程が基本的に不要になります。
つまり、「解体+処分」にかかる数十万円のコストを丸ごと削減できるため、全体の費用を大きく抑えることができるのです。
工期が短く、人件費も圧縮できる
屋根の葺き替えには、撤去・下地修繕・新規施工まで最低でも7日〜10日以上の工程がかかるのが一般的です。
それに対して、カバー工法であれば、
・既存屋根の上に下地(胴縁)を設置
・その上から新しい屋根材を張る
という比較的シンプルな工程になるため、3〜5日程度の短期施工で完了することも少なくありません。
施工日数が短くなる分、現場にかかる人件費・管理費用・足場の使用日数なども減り、トータルコストが下がるというわけです。
アスベスト対策が不要な分、安全・安価に進められる
2004年以前に建築された住宅の多くには、アスベスト(石綿)を含むスレート屋根材が使用されていました。
葺き替え工事でこうした屋根材を撤去する際は、飛散防止対策や密閉処理などの特別作業が必要になるため、その分費用も高く、安全管理も厳重に行う必要があります。
しかし、カバー工法であれば、アスベストを含む既存屋根材を撤去せず、そのまま密閉・保護して上から覆う施工になるため、これらの対策が不要になります。
つまり、安全性を保ちつつ、アスベスト処理にかかる高額な費用もカットできるという大きなメリットがあるのです。
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施工前に必ず確認したいチェックポイント

後悔しないために、事前の見極めがカギです
カバー工法は費用や工期の面で大きなメリットがある一方で、すべての屋根に適しているわけではありません。
間違った判断で施工を進めてしまうと、数年後に雨漏りや構造の不具合が起こるリスクもあります。そこで、カバー工法を選ぶ前に「これだけは必ず確認したい」ポイントを解説します。
1. 既存屋根の下地(野地板)が劣化していないか
もっとも重要なのが、屋根の構造部分=野地板(のじいた)の状態です。
野地板とは、屋根材の下にある板状の部材で、屋根の強度や防水性に深く関わります。カバー工法ではこの野地板の上から新しい屋根材をかぶせるため、下地がすでに腐食・劣化していると、そのまま施工しても意味がないどころか、構造上のリスクが増すだけなのです。
そのため、施工前には点検口や軒裏、あるいはドローンや赤外線カメラを使った調査で、内部の状態までしっかり確認する必要があります。
2. 既存屋根が金属系の場合は注意が必要
既存の屋根材が金属製(トタン・ガルバリウム鋼板など)である場合、カバー工法が適さないケースがあります。
金属屋根は構造が薄く、結露や熱の伝導率が高いため、上から別の金属屋根をかぶせると通気性が損なわれて結露が発生しやすくなります。それが長期間放置されると、内部の腐食や雨漏りの原因になることも。
このようなケースでは、通気層の確保や断熱材の追加施工などの工夫が必要となるため、専門知識と経験がある業者に見てもらうことが大切です。
3. 住宅の築年数と過去の補修歴を把握しておく
築年数が30年以上経っている住宅では、屋根以外の構造部分も同様に劣化している可能性があります。
また、過去に何度も補修や塗装を繰り返している場合、下地に負担がかかっていることも。建物全体のメンテナンス履歴を把握することが、適切なリフォーム選択への第一歩になります。
見積もりの際には、業者に対して「築何年か」「これまでどんな修理をしたか」といった情報を詳しく伝えるようにしましょう。
4. 信頼できる業者の点検・説明を受けてから判断を
カバー工法が本当に適しているかどうかは、専門業者による現地調査と丁寧なヒアリングが不可欠です。
優良業者であれば、安易に「安く済みますよ」と勧めるのではなく、
・屋根の状態を写真や図で詳しく説明してくれる
・下地の劣化がある場合は、カバーではなく葺き替えを提案する
・メリットだけでなく、デメリットや注意点も率直に話してくれる
といった対応をしてくれるはずです。
施工前の確認を怠らず、「屋根の状態に合った方法かどうか」を慎重に判断することが、後悔しないカバー工法の鍵といえるでしょう。
カバー工法と葺き替えの費用比較

屋根リフォームを検討するうえで、「カバー工法と葺き替え、結局どちらがいくらくらいかかるの?」というのは多くの方が気になるポイントでしょう。
結論からいえば、一般的にカバー工法のほうが20〜40%程度、費用を抑えられるケースが多くなっています。
しかし、費用の差は「屋根材の種類」「建物の構造」「必要な足場や下地処理の有無」などによっても変わってくるため、正しい相場感を知ったうえで判断することが大切です。
一般的な費用相場の比較(戸建て30坪の場合)
| 工法 | 内容 | 費用目安(税込) |
|---|---|---|
| カバー工法 | 既存屋根の上から新しい屋根材をかぶせる | 約80万〜150万円 |
| 葺き替え工事 | 既存屋根材を撤去し、下地から新調 | 約120万〜200万円以上 |
※使用する屋根材や下地の劣化状況によって前後します
なぜカバー工法の方が安くできるの?
カバー工法が安くなる理由は、撤去費用や廃材処分費がほとんどかからないためです。葺き替えでは古い屋根材をすべて剥がして処分する必要があるため、その分の人件費・廃棄物処理費用が上乗せされます。
また、工期も短縮されやすく、仮住まいや足場の設置期間が短くて済む場合もあるため、トータルの工事コストを抑えられることが多いのです。
ただし「長期的コスト」で見ると逆転もあり得る
カバー工法は初期費用が抑えられるのが魅力ですが、下地の劣化が進んでいた場合には再工事が必要になり、結果的に高くつくこともあります。
一方、葺き替え工事は初期費用こそ高いものの、屋根の構造全体を新しくできるため、次回のリフォーム時期を大幅に延ばせるのがメリットです。
つまり、「今すぐの出費を抑えたいか」「長期的な安心を重視するか」によって、最適な選択肢は変わってくるというわけです。
どちらの工法でも信頼できる業者選びが大前提
カバー工法が本当にお得かどうかは、既存の屋根が「その工法に適しているかどうか」の診断が正確に行われるかにかかっています。
信頼できる屋根修理業者であれば、現地調査の結果を踏まえて「今回は葺き替えをおすすめします」などと率直に提案してくれるはずです。
滋賀県で屋根リフォームをお考えの方は、地域の気候や建物事情を熟知した業者に相談することが、結果的に費用面でも品質面でも安心につながるでしょう。
まとめ
屋根のリフォームには、「カバー工法」と「葺き替え工事」という2つの選択肢があります。費用を抑えて工期も短く済むカバー工法は魅力的ですが、すべての屋根に適用できるわけではありません。
一方で、葺き替え工事は費用も時間もかかりますが、屋根下地から一新できるため、長期的には安定した安心感が得られる方法です。
重要なのは、「自分の屋根が今どのような状態なのか」「これから何年この家に住む予定か」など、住まい全体のライフプランを考慮して選択すること。
滋賀県で屋根工事をご検討の方は、地域密着で一級建築板金技能士が対応する【METALISE(メタライズ)】までお気軽にご相談ください。
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よくある質問(Q&A)
Q. カバー工法はどんな屋根でも対応できますか?
A. いいえ、対応できる屋根とできない屋根があります。すでに金属屋根が施工されている場合や、下地が著しく劣化している場合にはカバー工法が適さないこともあります。事前の点検が重要です。
Q. カバー工法の工期はどれくらいですか?
A. 一般的な戸建て住宅であれば、天候に恵まれれば約1週間前後で完了することが多いです。葺き替え工事よりも工期は短めになります。
Q. 葺き替えはやはり高額になるのでしょうか?
A. カバー工法に比べると高額にはなりますが、屋根全体の寿命をリセットできるというメリットもあります。次のメンテナンス時期を先延ばしにできるため、長期的なコストパフォーマンスは悪くありません。
Q. どちらの工法が自分に合っているかわかりません。
A. そのようなときは、屋根の状態をしっかり診断してもらい、信頼できる専門業者のアドバイスをもとに判断するのがベストです。METALISEでは、状態・ご予算・ご希望に応じて最適なプランをご提案いたします。

















