屋根リフォームのベストシーズンはいつ?大津市の気候をふまえて解説
2025/07/10
「屋根の劣化が気になってきた」「雨漏りの前にリフォームしたい」
そんなときに「屋根リフォームっていつやるのがベストなんだろう?」と迷われる方は少なくありません。
特に滋賀県大津市のように、雨の多い地域では、施工時期によって工期や仕上がりに大きな差が出ることもあります。
この記事では、大津市の気候の特徴をふまえながら、屋根リフォームに適した季節や、屋根材ごとの最適施工時期を詳しく解説します。
大津市の気候と屋根リフォーム時期の関係
大津市の年間気候の傾向
滋賀県最大の都市である大津市は、琵琶湖の南端に位置し、自然環境と都市機能が調和したエリアです。その一方で、屋根リフォームの計画を立てる上では、気候の影響を強く受けやすい地域でもあります。
まず注目すべきは、年間を通じた降水日数の多さと湿度の高さです。
年間平均降水日数は約120日〜130日にのぼり、3日に1日は雨が降る計算になります。
梅雨(6〜7月)と秋雨前線(9〜10月)では連日の雨が続くことも珍しくなく、屋根の防水性能が問われる時期です。
台風も例年8月〜10月にかけて複数回接近・上陸するため、強風・豪雨による屋根材の剥がれや雨漏り被害が発生しやすくなります。
冬場(1〜2月)は寒波の影響で、北部を中心に降雪や凍結による屋根材の破損リスクが高まります。
また、琵琶湖がもたらす湖陸風(こりくふう)や高湿度の空気によって、金属屋根のサビや苔の繁殖といった経年劣化が進みやすい傾向にあります。とくに日当たりが悪く湿気がこもりやすい屋根では、カビ・藻・コケの発生が雨漏りや断熱性低下の一因となることもあるため注意が必要です。
このように、大津市では「暑さ」「雨」「風」「寒さ」のすべてをバランスよく経験する地域性があるため、屋根材の選定と施工時期の見極めが、長期的な住まいの快適性に大きく影響します。
気候による屋根工事への影響
屋根工事は、外気にさらされる作業であるため、天候条件に大きく左右されます。とくに大津市のように、天気が変わりやすく降雨日数の多い地域では、以下のような注意点があります。
1. 雨天による工事の中断・延期
屋根の施工中に雨が降ると、防水シートの貼付や塗装の作業が中断され、工期が延びる原因になります。特に既存の屋根を剥がしてから新しい屋根を施工する工程では、一時的に防水性能が失われるため、雨への備えが非常に重要です。
2. 高湿度による塗膜不良
塗装リフォームの場合、湿度が高すぎると塗料が乾きにくくなり、表面にシワや膨れが生じる可能性があります。また、塗膜の密着力が低下しやすく、長期的な耐候性が損なわれる原因にもなります。これにより、せっかく塗り替えたのにすぐに色褪せたり、防水性が低下するといったトラブルも起こりえます。
3. 強風による作業の危険性
足場の設置や屋根材の搬入・施工には、安全が何よりも優先されます。風速が強い日は、足場の倒壊や屋根材の飛散といった危険があるため、作業が中止になるケースが少なくありません。
特に台風が近づく秋口には、数日単位で工事がストップすることもあり、スケジュールの余裕を見て計画する必要があります。
4. 冬季の寒冷による施工不良
冬場の低温環境下では、金属屋根材や塗料の膨張収縮に注意が必要です。気温が5℃以下になると、使用する塗料の乾燥が不十分になることがあり、防水性能に悪影響を及ぼすおそれがあります。また、朝方の霜や結露は、屋根材が滑りやすくなり、作業員の安全にも関わるため、作業時間が短縮されることもあります。
季節別の屋根リフォームの特徴とメリット・デメリット
屋根リフォームを成功させるためには、「いつ工事をするか」=施工時期の見極めがとても重要です。
ここでは、1年を春夏秋冬の4つの季節に分けて、それぞれの特徴や施工に向いている理由、注意点について詳しく見ていきましょう。
春(3〜5月)
気候が安定し、屋根リフォームには理想的なシーズン
春は、屋根工事のベストシーズンのひとつ。気温・湿度ともに安定し、職人の作業効率も高く保たれる時期です。
・平均気温:15〜25℃前後で、塗料や接着剤の硬化に最適
・湿度も穏やかで、塗装・防水材の乾燥が早く、仕上がりが美しい
・強風や台風の心配が少なく、工程通りに工事を進めやすい
・雨天のリスクも比較的低く、スケジュールが立てやすいのも特徴
ただし、リフォーム需要が高まる季節でもあり、人気業者は予約が2〜3ヶ月前から埋まる傾向があります。
理想的な時期に施工を希望する場合は、早めの相談・現地調査の予約が肝心です。
おすすめ度:★★★★★
梅雨(6〜7月)
雨によるリスクが高く、工期が不安定になりやすいシーズン
梅雨の時期は、連日の降雨や高湿度により、工事の中断や仕上がり不良が発生しやすくなります。
・雨が続くと、工期が数日〜1週間以上遅れるケースも
・高湿度により、塗料の乾燥が遅れ、密着不良や膨れなどの施工不良を引き起こす恐れあり
・下地が濡れたまま作業すると、防水性が落ちてしまうリスクも
ただし、この時期は雨漏りが発覚しやすく、応急処置や点検依頼には適しています。
緊急の雨漏り対応や防水工事の下見だけでも、早めに依頼しておくと安心です。
おすすめ度:★☆☆☆☆(計画的な工事には不向き)
夏(8〜9月)
暑さと台風への備えが必要だが、施工自体は可能
夏は、日照時間が長く、雨も少ないことから乾燥スピードが早く、スムーズに進む工事もあります。
一方で、注意点も多くあります。
・外気温が30℃を超える日が続き、職人の体調面や熱中症への配慮が必須
・ガルバリウム鋼板など金属系屋根材は熱膨張による変形・伸縮に配慮した施工が必要
・台風シーズンと重なるため、突然の工事延期や資材の飛散対策が必要
・塗装や接着剤は高温下でも硬化が早すぎて扱いにくくなることがある
天候が安定していれば施工可能ですが、緻密な工程管理と天候への柔軟な対応力が問われる時期でもあります。
おすすめ度:★★★☆☆(施工内容と材料によって判断)
秋(10〜11月)
春と並ぶベストシーズン。高品質な仕上がりを期待できる時期
秋は、台風シーズンのピークが過ぎ、気温・湿度ともに屋根工事に最適な時期です。
・外気温は15〜25℃程度、乾燥も適度で作業がしやすい
・塗装や接着も安定して硬化しやすく、塗膜の耐久性も高まりやすい
・冬に入る前に雨漏りや老朽化対策を済ませておきたいニーズが増加
・特に11月は駆け込み需要が集中し、施工枠が取りづらくなる傾向
春と並んで、仕上がり・スケジュール・安全性の3拍子がそろうハイシーズンです。
この時期も、早めの相談・見積もり依頼が成功のカギを握ります。
おすすめ度:★★★★★
冬(12〜2月)
気温・日照時間・積雪に注意が必要なシーズン
冬の屋根リフォームは、寒さや雪の影響で、施工日数が伸びたり、作業時間が制限される可能性があります。
・気温が5℃を下回ると、塗料や接着剤の硬化が遅れ、品質が不安定になることも
・結露や霜により、屋根材が滑りやすくなり、安全面でも配慮が必要
・地域によっては積雪による工事中断の可能性もあり
・日照時間が短く、作業可能な時間帯が限られる(1日4〜5時間ほどの場合も)
ただし、金属屋根(ガルバリウム・SGL鋼板など)は冬でも施工可能なケースが多く、雨漏り補修やカバー工法などの応急処置的なリフォームには向いています。
また、閑散期のため、業者のスケジュールに余裕がある点もメリットです。
▶ おすすめ度:★★☆☆☆(内容によっては有効)
屋根材別の最適な施工時期と特徴
屋根リフォームでは「屋根材の選び方」だけでなく、「どの季節にその屋根材を施工するか」も非常に重要です。
気温・湿度・天候の安定性は、施工精度や仕上がりに直結するため、屋根材ごとに適した季節を把握しておくことが、長持ちする屋根への第一歩になります。
ここでは、大津市の気候条件をふまえて、代表的な4種類の屋根材の特性と施工時期を詳しく見ていきましょう。
スレート屋根(化粧スレート)
スレートは、セメントを主原料に繊維を混ぜて薄く成型した屋根材で、コストパフォーマンスが高く、国内でも広く普及している軽量屋根材です。一般住宅はもちろん、アパートや小規模店舗などでもよく使われています。
特徴
・軽量で施工しやすく、地震にも比較的強い
・カラーバリエーションが豊富で、デザインの自由度が高い
・経年で劣化しやすく、定期的な塗装による防水メンテナンスが必須
注意点
スレート材は塗装が劣化すると吸水しやすくなり、雨水が内部に染み込むと苔やカビの原因になります。また、寒暖差によるひび割れや反りも発生しやすいため、状態の確認と早めの対処が重要です。
最適施工時期:春・秋
塗装や補修を伴うスレート工事は、湿度と気温が安定している春(3〜5月)または秋(10〜11月)が最適です。
高湿度や極端な寒さ・暑さは塗膜不良の原因となるため、梅雨と真冬は避けるのが理想的です。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム・亜鉛・シリコンの合金メッキが施された金属屋根材で、軽量かつサビに強く、モダンな外観とも相性の良い人気の素材です。
特徴
・瓦の約1/10の重さで耐震性に優れる
・トタンよりも耐食性が高く、サビに強い構造
・シンプルな形状で施工が早く、カバー工法にも適している
注意点
夏場は日射により屋根表面が高温になるため、熱膨張による伸縮を考慮した施工設計が必要です。断熱性は高くないため、断熱材との併用や遮熱塗料の採用が効果的です。
最適施工時期:春・秋(夏・冬も可)
基本的に通年施工可能ですが、春や秋は熱膨張の心配が少なく、施工後の安定性も高くなります。
ただし、真夏の施工では高温による作業者の負担もあるため、工期や安全管理に配慮が必要です。
瓦屋根(和瓦・洋瓦)
瓦は、日本の伝統的な屋根材として長く使われてきた焼き物素材の屋根材で、非常に高い耐久性と断熱・遮音性能を備えています。
特徴
・適切な施工で50年〜100年と超長寿命
・夏は涼しく冬は暖かい、優れた断熱性・蓄熱性
・雨音や外気の騒音を遮る遮音効果も高い
注意点
重いため住宅の構造補強が必要なケースがあり、耐震性とのバランスが問われます。
また、強風や地震によってズレや落下が起こることもあるため、定期的な点検が重要です。
冬場は瓦が凍結して割れやすくなるリスクがあるため、注意が必要です。
最適施工時期:春・秋
気温と湿度が安定している春・秋が理想。夏場は熱くなりすぎて作業環境が過酷になり、冬は瓦のひび割れリスクがあります。
和風住宅や重厚感ある外観を求める方、長期的視点で住まいを考える方におすすめの屋根材です。
SGL鋼板(スーパーガルバリウム)
SGL鋼板は、ガルバリウム鋼板にマグネシウムを加えることで耐食性を大幅に強化した次世代型金属屋根材です。
沿岸部や湿気の多い地域での使用にも適しており、近年注目が高まっています。
特徴
・ガルバリウムより約3〜5倍の耐食性を誇る
・軽量かつ高耐久で、地震や台風にも強い
・表面加工により、色褪せしにくく美観が長持ち
・一度施工すれば、長期間メンテナンスの必要がない場合も
注意点
従来のガルバリウムよりややコストは高めですが、メンテナンス費を抑えたい方には結果的に経済的です。
製品の種類により性能に差があるため、信頼できる業者と相談のうえで製品選びをするのが安心です。
最適施工時期:通年(特に春・秋がおすすめ)
雨や湿気に非常に強く、寒暖差にも耐える設計のため、1年を通じて施工可能な屋根材です。
とくに梅雨前や台風シーズン前の対策として選ばれることが多く、大津市のような湿度の高い地域には理想的。
将来のメンテナンス負担を減らしたい方、機能性重視の方におすすめです。
屋根リフォームの時期を選ぶ際のポイント
屋根リフォームは、費用も時間もかかる工事であるため「できるだけ良い時期に施工したい」と考えるのが自然です。
しかし、実際には「時期を選んでいる余裕がないケース」や、「思わぬ落とし穴」があることも。
ここでは、屋根リフォームの時期を検討する際に押さえておきたい3つの重要ポイントをご紹介します。
劣化が進行している場合は時期を選ばず早めに対応を
屋根材の破損や塗膜の剥がれ、軒天からの雨染みなどが見られる場合、施工時期よりも「どれだけ早く対処するか」が最優先事項です。
とくに以下のような症状がある場合は、春や秋を待たずに対応が必要です。
・雨漏りが発生している
・天井や壁紙にシミが出てきた
・屋根の一部にサビ・腐食・破損が見られる
・台風後に屋根材がずれたり飛散した
こうした状態を放置すると、屋根の内部構造(野地板や防水シート)まで水が浸透し、下地の腐食・断熱材のカビ・柱や梁の劣化につながる恐れがあります。
結果として、修繕範囲が拡大し、当初予定していた金額の2倍以上の費用がかかるというケースも珍しくありません。
雨漏りが起きたらまずは「応急処置」+「本格施工の時期相談」という2段階で考えるのが賢明です。
工事の予約は2〜3ヶ月前が基本
屋根リフォームは、当日連絡してすぐに着工できるようなものではありません。
特に人気の春(3〜5月)・秋(10〜11月)は依頼が集中するため、工事枠がすぐに埋まってしまう傾向にあります。
大津市のように降水量が多く、施工できる日が限られる地域では、業者もスケジュール管理に余裕をもたせて工期を調整しています。
このため、希望の時期に工事をしたい場合は、2〜3ヶ月前の相談・見積もり依頼がベストタイミングです。
また、以下のような工程が必要になることもあるため、早めの段取りが安心です。
・現地調査(1〜2回)
・屋根材や工法の決定
・見積もり・契約
・工事前の近隣への挨拶・足場組み手配
特にSGL鋼板などの特殊な屋根材を使用する場合は、材料手配に数週間かかることもあるため、余裕を持った計画が必要です。
補助金・助成金のタイミングにも注意
屋根リフォームには、自治体からの補助金や助成金が活用できるケースがあります。
大津市をはじめとする各自治体では、住宅の省エネ改修・老朽化対策・災害予防を目的とした支援制度を設けていることがあります。
・耐震補強を伴う屋根の軽量化工事
・雨漏り・漏水対策に関する修繕
・高反射塗料などを使った断熱リフォーム
これらの制度には「申請期間」や「予算上限」があるため、毎年4〜6月頃に申請枠が一杯になることも多く見られます。
また、制度の内容は年度ごとに見直されることが多く、前年にあった補助金が今年は無くなっているということも。
補助金をうまく活用するには、
・早めに自治体の情報をチェック
・業者に相談して、制度を踏まえた見積もり・書類作成を依頼
この2つが鍵となります。
まとめ
大津市での屋根リフォームは、春と秋がベストシーズンとなりますが、劣化が進んでいる場合は即時対応が必要です。季節による気候の違いが、施工の品質や工期に大きく影響するため、時期選びは重要です。スレート・瓦・ガルバリウム・SGL鋼板といった屋根材ごとに、施工に適した季節がありますが、特にSGL鋼板は通年施工可能な高性能屋根材としておすすめです。
屋根は、住まいを守る最前線。
だからこそ、最適な時期と信頼できる業者を選んで、後悔のない屋根リフォームを実現しましょう。
METALISEは、大津市で活動する職人直営の屋根修理専門店。「一級建築板金技能士」の資格を持つ職人が、現場調査から施工まで一貫して担当いたします。金属屋根の施工に強み(ガルバリウム・SGL鋼板)を持ち、雨漏り修理の実績も多数あります。当社は丁寧で、焦らず慎重な仕事ぶりを信条としています。
ご相談から施工まで自社対応で行い、営業マージン・外注費など不要なコストを徹底排除することで、適正価格で納得いただける工事をご提供しています。
大津市周辺の気候・住宅事情に詳しく、強風や豪雨など、緊急時にもすぐ対応できる体制を整えています。「いつリフォームすべきか分からない」「屋根材をどう選べばよいか迷っている」という方も、まずはお気軽にご相談ください。